犬山市教委の姿勢

学力テスト:不参加を最終決定 犬山市教委 全員一致で

 全国の自治体で唯一、全国学力テスト(全国学力・学習状況調査、4月24日実施)への不参加を表明している愛知県犬山市教委は22日、最終的に同テストに参加しないことを決めた。昨年12月の市長選で初当選した田中志典市長らが参加への方針転換を求めていたが、市教委側は「『○×』で能力を評価する学力テストは学ぶ意欲を育てる犬山の教育になじまない」とこれまで通りの不参加の方針を確認した。

 この日の臨時委員会では、4人の委員が「テストにはプライバシー上、問題がある」「全国の校長へのアンケートでは、3割がテストに反対しており、犬山だけが特異ではない」などと不参加を支持する意見を表明。全員が不参加に賛成した。

 以前から同じようなことを繰り返し書いているが、犬山市教委の「自分たちで考え、自分たちに必要なことをやる」という姿勢は他の教委も見習うべき。
 犬山市教委の判断、「全国学力テストへの不参加」というのを評価するというのもあるが、それより「みんながやるからうちもやる。」「国がやるから当然参加する。」という安易な判断をしなかったことを評価している。
 犬山市長の

 委員会の冒頭、田中市長は「不参加を決めてから保護者説明会を開くなど順序が逆で、手続きに問題がある」などと発言。一貫してテストを批判している瀬見井久教育長について「大事な会合を欠席したり、勤務実績が良くない」などと批判した。

というのは、きちんとした批判になっていない。市長は、なぜ全国学力調査に参加すべきかを明らかにして、その上で今回の判断を批判すべきだ。
 犬山市教委は、なぜ参加しないのかという理由を明確にしている。全国学力テストに参加することを決めた他地域の教委で、これほど明確に理由を示したところがあるだろうか。単に学力不安があるからという、雰囲気に流されたような理由で参加を決めている教委のほうが圧倒的ではないか。
 自分たちで、必要かどうかを議論し、意思表示をする。それが教育の地方分権の第一歩ではないか。そういうことをこれまでしてこないで、実績を積み上げてこなかったのに、どうやって教育の地方分権が進むというのだろうか。
 いったん、全国学力テストが実施されると、点数などに関心が集中し、その他の問題にはほとんど関心が向けられなくなる。実施前の今ならば、冷静に様々な問題について考え、議論することができる。全国学力テストについてもう一度考え直してみてはいかがだろうか。