何でこんなに急ぐのだろう

教育3法改正案:30日閣議決定、国会提出へ 伊吹文科相

 伊吹文明文部科学相は20日の閣議後の記者会見で、教育関連3法の改正案について「3本そろうのは30日になる」と述べ、30日に閣議決定し国会提出する考えを示した。3法は学校教育法、教員免許法、地方教育行政法。政府・与党は3法案の一括審議や特別委員会の設置を視野に、今国会での改正を目指している。

 何でこんなに急ぐのだろうか。選挙に間に合わせるためという理由しか見当たらないのだけど。成果を挙げましたと言いたい。ただそれだけのために重要な法律がまともに議論されずに改正されたりする。
 今回の3法は多くの人に直接関わってくる法律ばかりだ。しかし、国民の関心は低い。低いだけでなく、他人事のよう。法律が改正されれば、偏向した教員や指導力不足の教員が云々。国旗・国歌が云々。とにかく「良くなる」んだという程度の認識しかない。
 とにかく変えなきゃいけない。そればかり。自分や自分の子ども、身近な人たちに法律の改正がどのような影響を与えるかは二の次になっている。
 選挙のために改正を目論む人たちにとっては、国民の関心が低いままの状況で改正できればいいと考えているだろう。だから、法律を変えるのに議論を盛り上げない。盛り上げるのは、「あいつは抵抗勢力だ。打倒せよ。」という雰囲気ばかり。これは、反対する側の問題もあるのだけど、教育改革は、教育基本法の改正の議論の段階で、小泉劇場と同じように「抵抗勢力との対立」という劇場型政治になっている。そんな状況では、「抵抗勢力を打倒せよ」というメッセージだけが伝わってくる。そういう状況を反対派は打開できていない。
 何度も同じことを繰り返し書いているが、「教育の荒廃」という危機を煽る言葉に浮き足立ってはいけない。現状をまず見てほしい。見ようとしてほしい。本当に教育が荒廃しているのか、自分の目で確かめてもらいたい。相互不信ばかりが募るのは、相手の姿をきちんと見ていないからだ。不安に駆られて、自分たちの利益のために教育を利用する者に安易に白紙委任状を与えるべきではない。