これで現場の何が分かるというのだろう

23日から学校視察=議論公開へ〓教育再生会議

 政府の教育再生会議野依良治座長)は5月末の第2次報告取りまとめに向け、23日から小中学校など教育現場の視察を開始する。また、再生会議は22日の合同分科会で、現在は非公開としている同会議の議論を公開する方向で大筋一致した。
 教育現場の視察に関しては、安倍晋三首相が22日、記者団に「現場の声を聞くことも重要だ」と表明。ゆとり教育見直しなどを打ち出した先の第1次報告に対し、与党や教育関係者から「学校現場の子ども、保護者、教職員らの声を聞くことなく(議論が)進められた」(日教組)などと批判されたこともあり、全国各地の教育現場を再生会議委員が手分けして訪問することにした。

という時事通信の記事を読みながら、これで現場の何を知るというのだろうかと思った。
 過去に、文部科学省は「スクールミーティング」を行った。スクールミーティングの実施状況でどのような学校に行ったのかが分かる。ぜひ時間がある方はお調べになるといいが、訪れた学校は、大臣や文部省幹部の出身校以外は、結構有名な教育がうまく言っていると考えられている学校ばかりだ。いわゆる困難校には行ってない。それで現場の何が分かるというのだろうか。
 そして、教育再生会議も同じようなことをやるという。「教育再生会議委員の現場派遣について(案)」に今後訪れる予定の学校がいくつか示されている。これもスクールミーティングと同じ、困難校には行かないようだ。
 教育再生会議の委員が学校を訪問しても、学校にとっては迷惑になるだけだ。見栄えを良くするために、教員も子どもも非日常的な授業や雰囲気作りに苦労させられることになるからだ。
 こういうパフォーマンスをやる前に、やらなきゃいけないことはいくらでもある。現場の意見が聞きたければもっと別の方法もある。なぜ目立つことしかやらないのだろう。自分たちのことしか考えないからこういう馬鹿げたことを思いつくのだろう。
 安倍首相や教育再生会議は、とことん、教育を自分たちのために利用し尽くすつもりなのだろう。