与党のこじつけは批判しないのか

[「教育」衆院採決]「野党の反対理由はこじつけだ」

「やらせ質問」も「いじめ自殺」も、それを採決反対の理由に挙げるのは、こじつけが過ぎるのではないか。

 この社説では、野党、特に民主党を批判している。しかし、考えてみてほしい。与党が教育基本法改正の理由として挙げている教育の問題は、教育基本法を改正する理由になるものかどうかを。与党が理由として挙げている教育問題は、現行の教育基本法を変えなければ解決できないものではない。与党の論理はこじつけであり、論理の飛躍がある。読売新聞はそれをなぜ批判しないのか。
 また、

やらせ質問は議論の活性化が目的だったと政府は釈明するが、これはやはり行き過ぎがあったと言わざるを得ない。

とこの社説では述べているが、本当にやらせ質問の問題はその程度のことだろうか。やらせ質問という姑息な方法で世論を形成できると考えた政府の行為は、国民を愚弄する行為ではないか。それを行き過ぎだで済ませられるというのか。今後、こういうことが言論の自由を封殺するような法律の制定に使われたとしても読売新聞は「行き過ぎだ」で済ませるのか。

 衆院特別委の審議はすでに100時間を超える。それでも審議が不十分と思うなら、速やかに参院で審議のテーブルにつけばよい。

 読売新聞は、100時間を超える審議でいかなる問題点が明確にされたと考えているのか。教育基本法を改正する根拠が妥当であるかどうか明確になっただろうか。教育基本法改正によっていかなるメリットがあるのか。いかなるデメリットがあるのか明確になったのか。ぜひ、特集でも組んでその点を明らかにしてもらいたい。
 読売新聞に限らず、民主党の国会戦略を批判することで、教育基本法の問題を民主党の姿勢の問題に転嫁しようとしている。民主党は、教育基本法改正では軌を一にしながら、選挙の勝利目的のために教育問題を利用してきた。それは批判されるべきだ。しかし、だからといって教育基本法改正案がきちんと議論されることもなく採決されたことを正当化することはできない。
 読売新聞のこの社説はまさに「牽強付会」の説というべきものだ。