教育者も政治的であれ

市民・地域が支える教育へ向けて 可能性としての地方分権・学校裁量権の拡大 荻原克男

 荻原克男氏は、このなかで次のように述べている。

 いま、教育の分野で注目すべき改革を実現しているのは主に知事や市長など首長たちです。直接指導する場合もあるし、思い切った人事によって活動の場を与えて、あとは教育関係者に任せるという場合もある。今はまだ大きな財源と権限を国が握っているため中央での政治主導による改革が進んでいますが、地方への財源移譲と権限の委譲が進めば、いずれ否応なく地方も政治主導の改革が本格化していくはずです。
 そうした状況下では教育界のリーダーにも政治的な折衝能力が問われてきます。政治は政治家に任せていればよい時代は終わって、これからは教育者も良い意味で「政治的」になるべきでしょう。かつては「政治的」というと、日教組と旧文部省の代理戦争とか、イデオロギー対立に結びついたので、それに懲りて教育現場では「政治」には関わりたくないという意向が今でも強い。しかし、地域主導の教育自治を実現するために教育者がいかにして良い意味で政治的になれるか、ということは今後の重要な課題の一つです。