尊重される国とされない国

【正論】国際教養大学理事長・学長 中嶋嶺雄 教基法の国会審議に急ぎ提案

 同会議はすでに活動を開始しているが、去る10月18日の第1回会議で17人のメンバー全員が最初の意見表明をした際、メンバーの1人の私は次のように表明した。「教育基本法、これは実は中教審でも私、審議させていただきましたので、是非早急にこの教育基本法をきちんとしていただきたい。ただ若干注文がございますのは…『他国を尊重し』ということになりますと、いわば核実験をやったばかりの国も『尊重し』になります。中華文明がチベット文化を押しつぶしている。そういう国も尊重しなければいけないので、そこは『理解し』とか、ちょっと直せばいいことですので、その上で是非早く実現することが日本の教育再生の根本だと思います」(「第1回教育再生会議議事録」参照)。

 いまさら政府案と民主党案をつき合わせて再検討するとなると、政府案全体に波及したり議論が振り出しに戻ってしまうので、それは出来ないというのが政府与党の見解だとしたら、右に見た「他国を尊重し」の個所を「他国を理解し」と2文字だけ交換するか、「他国の文化を尊重し」と「文化を」の3文字を加えることだけは、是非してほしいものである。時間が切迫しているので、私からの緊急提案とさせていただければ幸いである。

 以前、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20060414/1144942562で「北朝鮮も尊重するのか」という議員の発言も取りあげた。中嶋氏の主張はこれと同じ。こんな考え方で「国際理解」が進むのだろうか。