これがサッチャーの教育改革の効果だ

自分の国どこ? 英国の子供20%、地図で示せず

 英国の子供の5人に1人が、地図上で自国の位置を示せないことが、このほど行われた調査で明らかになった。英国では5歳から14歳が通う公立校で地理が必修科目となっているが、さんざんな結果に関係者は不安感を強めている。
 地元メディアによると、調査は「ナショナル・ジオグラフィック・キッズ」誌が英国での刊行に合わせ、6歳から14歳の1000人以上を対象に実施。米国の位置を示せた子供は6割以下で、86%がイラクの場所が分からず、10人に1人が大陸の名称を1つも答えられなかった。またロンドン在住にもかかわらず、英国の首都がどこか分からない子供も一部いたという。(時事)

 これは、日本の荒廃した教育の話ではなく、現政権では大絶賛されているサッチャーによる教育改革が行われたイギリスの教育の話。イギリスでは、ナショナル・カリキュラムとナショナル・テストが導入され、子どもたちの学力水準の向上に努めてきた。それでもこのような結果になっている。
 なぜ、このような散々な姿になっているのかというのはこの記事には書かれていないが、サッチャーの行った教育改革、その後のブレアの改革も「基礎学力」の向上にはつながっていないということを示している。
 これを単にイギリスの教育改革の失敗と捉えることはできない。なぜならば、サッチャーの教育改革は日本の教育をモデルとしていた。そして、日本は今そのイギリスの教育改革をモデルとして改革を行おうとしている。つまり、この記事のイギリスの現状は、将来の日本の姿かもしれない。そう考えることもできるからだ。
 このイギリスの現状についてぜひ教育再生を看板に掲げる安倍首相に感想をお聞きしてみたい。