記事から見えてくるもの

教育再生 現場も期待

 この記事を読むと様々なものが見えてくる。

 学力低下の背景を探るため、今年5月、生活習慣と学力の相関関係を調査した山口県山陽小野田市。調査の結果、就寝が午後8〜9時で、朝食を毎日食べ、テレビの視聴時間が短いほど、子供は実力を発揮できることがわかった。同市の江沢正思教育長は、「学力向上のためには、まず生活習慣の見直しが必要。首相の諮問機関なら、子供がテレビを見る時間やインターネットを使う時間を制限するなど、思い切った提案もできるのでは」と期待する。

 この教育長は、首相の諮問機関であるというだけで、「子供がテレビを見る時間やインターネットを使う時間を制限する」というようなことを期待してしまっている。これが行き着くところは地獄ではないか。このような発想を持つ人が教育長。教育界の人材難と思考停止状況がよく分かる。

 横浜市では、優れた教材や優秀な教師の授業の様子を撮影したビデオなどを新人教師らに貸し出している。かつては、学校で先輩教師に相談していた新人も、今は学校現場にゆとりがなく、孤立しがち。同市教委の服部信雄・授業改善支援担当課長は「教育実習だけでは不十分。大学時代から『教師力』をしっかり身につける仕組みづくりも検討してほしい」と話す。

 今すぐにでも解決すべき課題は、「学校で先輩教師に相談していた新人も、今は学校現場にゆとりがなく、孤立しがち。」というもの。市教委の課長はそれとは直接関係しないことを述べている。大学時代から「教師力」なるものを身に付けても、孤立する教員は減らない。
 また、この記事を書いた記者はこのパラグラフの前半と後半がつながっていないことに気が付いているだろうか。
 この記事から、見えてくるものは、教育の抱えている課題だ。そこに注目してこの記事を読んでもらうと良いのではないかと思う。