評価について少し考えてみる

 白い紙に

1+1=

とだけ書いたものがある。その紙を渡されたら、どのように解答するだろうか。また、その紙でどのような評価をおこなうだろうか。

 この紙一つで評価についていろいろと考えることができる。評価者の側と被評価者の側とで様々なことが考えられる。例えば、評価する側から考えると、評価基準の問題、評価の妥当性、指導と評価のつながり、評価後の取り組みなどの問題が考えられる。評価される側から考えると、これでどのように評価されるのだろうかとか、どう解答するのか。こんな問題で評価されたくない。とか。いくつも考えられる。
 そういう問題の一つ一つは、評価者側だけの問題ではなく、また、被評価者側だけの問題でもない。例えば、評価基準を示さないままこの紙を渡されれば評価される側は解答できない。また、この紙が白紙で返ってきたら評価者は評価に困る。
 「評価」には、教育観の問題から技術の問題など様々な問題がある。また、その問題を評価者と被評価者とが話をしたり考えたりして、解決したり合意したりする。だけど、そういう問題やそういう過程を省略して「評価」の問題は語られたり、捉えられたりしている。テストをやるだけで評価していると考えられたり、結果だけを見て評価されたと考えられている。先日書いた通知表問題は、単に他のクラスと同じようになったからそれで良いというものではない。他のクラスと同じか違うかという問題よりも、「評価」って何だろうというようなことを考えることが重要なのではないだろうか。