そこにある差

法見直し迫る、この現実 障害者殺人判決

認知症の母殺害、被告に執行猶予つき判決 京都地裁

 殺人罪に問われた母親に対し、福岡地裁は懲役5年の実刑判決を言い渡した。裁判長は判決理由で「献身的な介護など酌むべき事情もある」としながら「将来の生活や介護に不安を持ち、ほかの家族に相談することなく殺害した短絡的な犯行」と述べた。

 東尾龍一裁判官は「結果は重大だが、行政からの援助を受けられず、愛する母をあやめた被告人の苦しみや絶望感は言葉で言い尽くせない」と述べて、懲役2年6カ月執行猶予3年(求刑懲役3年)を言い渡した。

 一方は短絡的な犯行だとされ、実刑判決。もう一方は、「行政からの援助を受けられず、愛する母をあやめた被告人の苦しみや絶望感は言葉で言い尽くせない」として執行猶予の判決。
 そこにある「差」は何だろうか。その差を指摘する声があまりないような気がする。そういう差を問題にするのは間違っているだろうか。