食育について

 「食育」の最もおかしな点は「食を学ぶ」「食を通して学ぶ」という視点が欠落していること。「食事は大切」「農家の人たちに感謝」という価値観だけを強調したり呼びかけ一辺倒の活動、結局何を学ぶのか分からないもののオンパレード。
 例えば朝食をきちんと食べさせようという標語があちらこちらで見聞きされるが、朝食を取り巻くもの(家族や社会など)への視点が欠落し、現実から乖離した活動や教育が行われている。そういうものをいくら学んでも家族の問題や社会の問題へ子どもの目が向くことはなく、問題を解決する方向には全く進まない。
 そういうものにしないためには、視点を多様化することが必要。そのためのカリキュラムが必要になる。そこで少し提案をしてみたい。
 「食」を学ぶ際のカリキュラムをスコープ(scope)とシークェンス(sequence)を用いて考えてみたい。お断りしておきますが、これは一例で、検討も十分にできてません。

スコープとして

  • 生産
  • 流通
  • 消費

etc.

シークェンスとして

  • 一年生
  • 二年生
  • 三年生

etc.

と設定する。スコープとシークェンスは他にもいろいろ考えられる。(急に考えたのでこんなのしか考えつかない)

これを

  一年生 二年生 三年生    
生産          
流通          
消費          

というように表にしてスコープとシークェンスが交わっているところに教育内容を書き込んでいく。例えば消費のスコープのところで「サービスとしての食」というようなものが考えられる。
 こういうようにやるだけでも「食」について学ぶ視点は増えてくるし、価値観だけを教え込むようなものにはならない。