根拠のない言いがかり

社説2 教育基本法改正が問うもの

戦後日本の教育が「知」と「徳」のバランスを欠いてきたことは、公共心や社会性を欠いた子どもたちが増えている現実を見てもあきらかだろう。

 なぜ根拠もなくこのように断定するのだろうか。このような言いがかりが教育に対する不信感となっている。そうやって作り上げられた不信感は実態のない「教育」という虚像を創り出している。様々な問題はその虚像と結びつけられ、根拠のない批判をさらに生み出している。そして、教育に対する不信感の増大とその一方で教育への過度の期待が増大している。
 その不信と期待は、政治や社会の責任を曖昧にし、隠蔽することに多大な貢献をしている。教育基本法の改正は、教育をスケープゴートにするための根拠を強化するだけで、問題を解決することにはほとんど貢献しない。