目的は変更されそして管理されていく

文科省:小6、中3の全国テスト 学校評価に活用も

 文部科学省は、07年度から小学6年生と中学3年生全員を対象に実施する予定の全国一斉学力テストについて、学校評価のデータの一つとして活用を検討する考えを30日明らかにした。また、一部に記述式問題も導入するという。
 同省の示したたたき台によると、「(テストの)結果を学校評価における重要なデータの一つとして活用する意義が大きい」としている。
 また、問題や出題の狙いの公開▽業者による採点▽テスト結果の各学校への返却、個々の児童・生徒への成績の返却も検討している。

 学力テストの目的は際限なく変更され、それによって学校は管理され、教師も管理されていく。本来、国の教育施策を評価する手段であったはずのものが、学校や教師の管理に使用されていく。これは、本来は国などの権力を抑制するはずのものが、当初の目的から離れて国民を管理する道具へと変わっていくのと同じ。
 学力テストの結果は確かに学校評価の一つの指標になる。しかし、それは指標の一つに過ぎない。それがいつのまにか、学力テストの結果によって学校はランク付けされ、資源もランク上位の学校に優先的に回され、取り残された学校は細々とそこに取り残された子どものために開校し続ける。そういう時代がやってくるかもしれない。
 中教審の検討会議はもう少し慎重な議論をしていくべきだ。そでなければ、学力テストは単に管理の道具になるだけだ。