空っぽな教育

高校世界史、引き続き必修にできる? 議論百出

 文部科学省は28日、年度内の改訂を目指している学習指導要領で、高校での世界史を引き続き必修科目とする案を、中央教育審議会文科相の諮問機関)の高校部会に示した。昨秋発覚した必修科目の履修漏れ問題で、実際に教えていない高校が続出した科目だが、同省は「現行の定めは合理的」としている。一方、審議する委員からは様々な意見が出て、この日はまとまらなかった。

 何が空っぽなのか。今の社会をどう見るか。これからの社会をどう見るか。学ぶことを通して社会とどうつながっていくか。そうした議論を深めることなく、空っぽの状況で何を必修にするかという議論が進んでいる。
 今の社会をどう見るか。これからの社会をどう見るか。学ぶことを通して社会とどうつながっていくか。ということをやらない現状の学校教育は、何が必修であってもたいした差はない。
 日本史を必修にするというだけで、日本人としてのアイデンティティが育成されると思いこむ。世界史を必修にするというだけで国際化に対応していると思いこむ。そうした、思いこみだけで教育を考えている。そこには「思想」がない。空っぽの教育が存在している。