戦後レジームからの脱却

 教育の世界で「常識」として語られていることはどれも「戦後レジーム」のなかで生み出されてきたものだ。「ゆとり教育」「反ゆとり教育」,「日教組」「反日教組」は戦後レジームの中で出てきたもの。これらは戦後レジームと切り離して存在し得ない。
 それら全てから脱却しない限り,教育の世界では戦後レジームから脱却することはできない。教育の世界で言われている戦後レジームからの脱却は,コインの表と裏をひっくり返しているだけ。どこにも表と裏以外の新しい面は出現していない。そして,いくら今の状態が強固に見えてもコインはいつかまたひっくり返される。
 戦後の教育がどういうものだったか,なんとなく語り尽くされているような気分になっている。でも,本当にそうなのだろうか。実は一部だけを見て語り,そういう気分になっているんじゃないだろうか。戦後レジームからの脱却と言いながら,コインの裏側を見せているだけなのではないか。