教育再生会議報告は参議院選挙への点数稼ぎに過ぎないでしょ

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/104818

 ざっと見ただけでも、安倍氏が提唱した内容が再生会議の委員の甲論乙駁の議論の結果、最終的には取り入れられていることが分かります。なおかつこれは、記事にも書いているように、文部科学省自民党文教関係議員の抵抗を押し切ってのことなのです。

 安倍首相の著書に書いてあることが報告に盛り込まれたのは、参議院選挙の前に、教育改革で成果を上げておきたいという思惑があるから。文部科学省文教族の反対は、報告に盛り込まれたのがくだらないのと、自分たちが蚊帳の外になるのが嫌だっていうのが大きな動機。
 朝日新聞のつまらない批判に対して、

 朝日さんはこう書くわけですが、これまでの会議や文部科学省の諮問機関である中教審の答申が実現されなかったり、あまりに時間がかかりすぎたりした点をカバーするため、再生会議が議論を主導することになったのでしょうに。

と述べているのだけれど、これは間違い。再生会議は安倍首相の点数稼ぎの手段でしかないし、スピードと点数稼ぎに終始しているから、内容の無いお題目を並べただけの報告になっている。教育再生会議のような審議をするくらいなら中教審で議論するほうがどれだけましか。

 それに、テーマとしては同じでも、たとえば教員免許更新制度に関する中教審の答申が甘すぎる内容(ダメ教師は講習を受ければいいとか)だったことなどには朝日は触れていません。本来、同一視できないものを「同じようなものじゃないか」と印象操作をしているとみえます。

 というより、朝日は教育に奇策を持ち込めとでも言いたいのでしょうか。私は教育改革とは、もっと地道に、そして一歩一歩進めていくべきだと愚考するものですが、過去の議論に学んで参考にしてはいけない理由でもあるのでしょうか。

というのだけれど、これも間違い。再生会議は過去に学んでないし、過去に出されたものをコピペして自分たちの名前をつけて報告書を作っているだけ。教育再生会議の教育改革が地道な改革だと言いたいようだが、どこをどう見たらそう言えるのだろうか。
 以下、教育委員会の話が出てくるが、教育委員会のこれまでの経緯をきちんと調べて教育委員会については書くべきだ。ここで書かれていることは的外れなことだ。
 また、朝日が再生会議の審議が非公開であることを問題にしていることについて反論のようなことが書いてある。密室審議という批判をされたくなければ中教審並みに審議を公開すればいい。再生会議の公開した資料を見ても、彼らが何を根拠にして議論し、結論を得ているのか全く理解できない。批判を受けても仕方ないのではないか。
 最後に日教組の話が出てくるが、日教組を持ち出して、そこに目をそらすのは止めたほうがいい。それは、再生会議の抱える問題を隠蔽するのに役立つだけ。そんなことをしても教育のためにはならない。日教組を持ち出さないと擁護できないような再生会議など要らない。
 安倍首相の点数稼ぎの手段をドラマ化して、美談に仕立て上げる。そんなドラマは見たくない。