何となく感じる違和感

いじめなくすオレンジリボン・キャンペーン 千葉の中学

 この記事を読みながら、
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のなかで藤田英典氏が次のように述べているのを思い出した。

 <生活共同体>が特定の成員を排除することなしに展開するための必要条件は、協同性ではなくて、むしろ共存性だということである。協同性はポジティブな契機を拡大するが、そのありようによっては、排除や抑圧の契機にもなる。<生活共同体>は、そこで一緒に過ごしたということ、いろいろの出来事や活動が生起し展開した場所に一緒に居合わせたということ、すなわち共存したという事実のゆえに、<想像の共同体>の基盤になる。したがって、諸活動の編成やその進め方が、協同性を過度に要求するあまり、共存性を抑圧することのないように注意することが肝要である。そのことは<心の居場所>を圧縮し、奪い取ることのないようにするということにも通じる。言い換えれば、日常生活の場が息の詰まるような空間にならないように配慮するということ、積極的に関わることのできない生徒、遅れがちな生徒、さまざまの障害や困難を抱えている生徒にも<居場所>を用意するということ、そのための適切な配慮をするということである。

 確かに、リボンを付けることで子どもたちの連帯感などは高まるかもしれない。しかし、それは一方で、息の詰まるような空間を作り出していくことにもなりかねない。こういうことを言うのは間違っているのかもしれないが、何となく違和感がある。