ここでいうニートは日本(報道など)で言われてるのとは違う

先進国の「ニート率」13%…ILO調査

 ILOニュースリリースを読むと、日本で報道などで使われている「ニート」とは違って、イギリスなど欧州で問題になっている「若年者の失業」の問題が深刻であるということであり、この読売新聞の記事では勘違いされる可能性がある。
 例えば、

海外でも、ニートの増加が大きな社会問題となっている模様だ。

とこの記事では述べているのだけれど、日本で使われているいわゆる「ニート」の概念とこの報告が問題だとしているものは違う。だから、この表現は間違いだ。
 この記事で、

ニート問題が最も深刻なのは旧ユーゴスラビアを含む中東欧地域で、若年層の33・6%が該当する。

と述べられているように、日本版「ニート」とは違う概念のものであることがそこからも分かる。読売新聞のサイトの記事ではもう少し詳しく書いてあるのかと思ったが、同じなので、きちんと指摘しておきたい。

(追記)

 こちらの記事の方が報告書の内容をきちんと報道している。

25歳未満の失業率、世界で13.5% 大人の3倍

 国際労働機関(ILO)は29日、世界の若者(15〜24歳)の雇用状況をまとめた調査報告書を発表した。この10年間に、職を必要としながらも仕事のない失業人口は7400万人から8500万人へと1000万人以上増加。失業率は13.5%に達し、大人(25歳以上)の失業率の3倍も高い。世界経済が拡大する一方で若者が労働市場から締め出されている現状は、将来の経済に悪影響をおよぼす、と報告書は指摘している。

 報告書によると、世界の若者人口は約10億人で、うち6億5700万人が労働市場にいる。95年から05年までの間に若者人口が13%余り増えたのに対し、若者の雇用機会は4%弱しか拡大しなかった。その結果、世界の失業者の44%を若者が占めるに至った。

 若者の失業率が最も高いのが中東・北アフリカ(25.7%)。中東欧、サハラ以南のアフリカが続く。

 特に東南アジアは失業率が9.2%から15.8%へと大幅に悪化。技能不足の若者が経済低迷の影響を最も受けやすく、アジア通貨危機の影響が出たとみられる。中東は、女性の就職が難しいことなどが失業率を押し上げている。