つまらないこと

ゆとり教育世代:英語力、大学生の6割が中学生レベル−−独立行政法人調査

 まず、こんなくだらない調査が世の中の何の役に立つのかということを言っておきたい。
 記事では、

 調査は全国14大学(国公立2、私立12)の新入生約4600人を対象に実施。語彙(い)と文法の理解度を問う、英検4〜2級レベルの問題で到達度を見た。その結果、英検3級(中学卒業程度)レベルが45%、英検4級レベル(中2程度)が13%に上った。

という。なぜ公立と私立の比率がそのようになったのか。それが妥当だと言えるのか。また、記事によれば、

 国は02年度に「英語が使える日本人」の育成のための行動計画を策定、07年度までに高校卒業者の平均を「英検準2級〜2級程度」にすることを目標にしている

のだという。その国の目標は妥当なものなのか。それについての吟味は行ったのか。そのようになったところでいったい何になるのか。

 小野教授は、英語の授業が読み書き中心からコミュニケーション重視に変わった▽新学習指導要領により、授業で覚える単語数が1割程度減った▽授業時間数も4分の3になった−−など、ゆとり教育の影響が背景にあると分析。「基礎の単語や文法の力が低下している。基礎的な力が上がらないと、コミュニケーションの能力も上がらない。このままでは文部科学省の目標の達成は困難」と指摘している。

 ゆとり教育世代以外の世代では、英語力もコミュニケーション能力も高いのだろうか。いくらやっても英語を話せないとずいぶん前から言われている気がするが。今回の調査で言いたいことはそういうことではないのだろうか。
 「ゆとり教育世代」という言葉は非常に使いやすい言葉だ。様々なネガティブなことはそれと結びつけて論じれば何でも最もらしいものになる。さらに、良い宣伝文句でもある。この記事の見出しのように「ゆとり教育世代 英語力、大学生の6割が中学生レベル」なんて広告に書いてあったら親はすぐに飛びつく。そういう親をターゲットにした関連商品は大いに売れるだろう。
 全国学力テストも、こういう調査と同じようにつまらない分析の対象となるのだろう。今から見出しと記事が予想できる。「ゆとり教育世代」「学力低下」という言葉は必ず登場するだろう。