包括的な見直しが必要

物理嫌い:教職目指す大学生の6割、高校で未履修

 私は物理は好きだけど、物理は得意ではない。相対性理論や宇宙物理学などは結構好きで、話を聞いたり本を読んだりする。でも、高校時代は履修していない。
 記事では、教育系学部のカリキュラムの問題が少し指摘されているが、教育系学部=文系という括りになっていて、高校で物理は必修ではないという場合があることも大きく影響しているように思う。文理分けの影響は決して小さくない。
 アメリカでは理科や数学分野の教員がかなり少ない。それは、他の職業に就くほうが給与や待遇の面で有利だから。教員は他の職業と比較して初任給などでかなりの差がある。日本でもそういう面があるのではないか。
 さらに、理科好きの子どもと言うが、理科が単に好きな子どもではなく、理科が得意な子どものことを指している面がないだろうか。教員も同じで理科は不得手だけど好きだというのじゃなく、理科が得意な教員を育成しないといけないと思われていないだろうか。
 理科好きですと子どもが言えないのは、理科が得意ではないからという理由が大きく影響しているように思う。それは、理科で学ぶことは日常生活とすごく結びついているはずなのに、理科という教科が研究室で専門家がやっているものというようなイメージが強く、自分からは遠いものと思っているからではないか。
 理科嫌いをこれ以上拡大させないためには、高校の文理分けや大学のカリキュラム、報道や一般的な意識など様々なものを見直していかないといけない。どこか一部だけ買えればそれで良いという問題ではない。