責任を取る気のない方々

「適切な取り扱いを」=南部町の学テ結果開示で?銭谷文科次官

 以前,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080710/1215630094で書いたことを繰り返すなら,「適切な取り扱い」とは何か。それをきちんと法制化し,文部科学省は責任を負うべき。その立場にあるものが,「実施要領」という「法的根拠」のないものを持ち出して,「私たちは止めましたから」というポーズを取って見せ,問題が起きたときに逃げ込める場所を作っている。
 そのことを指摘せず,批判することなく,文部科学省の言い分を流すマスコミ。日教組というスケープゴートを持ち出して,意図する,しないに関わらず話をそらしてしまう方たち。
 何度も繰り返し言いたいのは,全国学力調査の結果を生かすためには,誰がどのような情報を何のために必要とするのか。そのために必要な仕組みは何かをなぜ考えたり,議論したりしないの?ということ。文部科学省のいう「適切な取り扱い」のためにも,文部科学省は法制化などをやっていくべき。それが文部科学省の責任の負い方だと思う。

忘れられたファクター

教育委員問われる存在価値 橋下知事発言で注目

 今の流行に乗っかって言えば,「教育委員会が形骸化したのは日教組のせいだ」だろうか。教育委員会が形骸化した要因の一つに日教組は挙げられるだろう。その流行語は教育委員会を形骸化した他のファクターの存在を忘れさせるのに大いに貢献するだろう。
 以前,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080710/1215630094http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070305/1173077771http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070118/1169097842http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061124/1164342504http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061109/1163038572http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061017/1161069782http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061011/1160497308http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061011/1160497308などで教育委員会について書いてきた。
 教育委員会を現在の形にしていった要因には,教育行政に関わってきた官僚や政治家の存在がある。しかし,そのことはとうに忘れ去られているようだ。教育行政に関わる人たちがなぜ教育委員会を形骸化させていったのか。そこに目を向けることなく,教育委員会の形骸化を嘆いて見せたり,教育委員会の改廃の議論をすることはできない。
 「ゆとり教育」がその言葉の一人歩きによって,それが複雑で多様なものではなく,単純化されてしまい,その問題の解決方法も単純化されてしまったように,教育委員会の問題も,様々なアクターの存在が忘れられることで単純化され,その解決方法も単純化されている。
 教育委員会に目が向いているのなら,忘れられているファクターの存在にも目を向けてほしい。