印象と実態は同じか

国語力10年前に比べ低下、高校では9割 教育長協調査

 なぜこの手の調査には根拠となる数字が出てこないのだろうか。例えば、

 調査は各都道府県で国語力の向上のための取り組みをしている小中高校を各5校ずつ、計15校を抽出して行った。児童生徒の国語力を「10年前に比べ低下しているか」の問いに「そう思う」「どちらかといえばそう思う」としたのは小学校で60.5%、中学校67.7%、高校87.3%と上級校になるほど増えた。

というが、10年前と比較してどの程度「国語力」が低下したのか。それを印象ではなく数値で示して欲しい。10年前と言うが、そういう調査をしたデータがどこに存在するのか。また、

 「具体的にどんな力が低下したか」を複数回答で聞くと、「語彙力」が小中高とも6〜7割で突出して高く、次いで「自分の考えをまとめて書く」「敬語を理解して使う力」も多かった。

と具体的に低下した能力が上げられているが、そのどれもがどの程度低下したのかきちんとした数字での根拠が示されない。
 こういう調査では、簡単に結果を操作できる。例えば、一定期間国語力が低下したという印象を持たせるような情報に触れさせる。その上で同じ質問をする。そうすると、多くの人が「そう思う」などという解答をするはずだ。
 印象だけを聞いてもそれは実態と乖離している場合が多々ある。学力などの抽象的なものは特にそうなる。このような調査だけで対策を考えるのはやめてほしい。各自治体は学力テストを実施しているはずで、その結果を基にして対策を考えるべきだ。学力テストをこういう時こそ役立てて欲しい。

誉められると思っていたのに

愛国心評価の状況調査も 衆院教基法特委で文科相

教委や学校の本音は、

 「国を愛する」というような文言を入れたから誉めてもらえるのかと思った。だけど、それは行き過ぎだとか間違った指導だと批判される。かといって「国を愛する」という文言が入ってないと、偏向しているなどと批判される。どうやっても批判される。一体どうしたらいいのだろうか。

というようなことではないだろうか。