2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

試行錯誤を否定してはいない

私の主張していることは,試行錯誤を否定することではない。全国学調査は今まさに試行錯誤の最中であると言われるかもしれない。しかし,その試行錯誤は合理的な判断に基づいたものではないということを主張してきた。それは,http://d.hatena.ne.jp/kaikai0…

学力調査の拡大という本末転倒した主張

「学力テスト、小5?中3に拡大を」文科相が私見 塩谷立文部科学相は26日、昨春に約40年ぶりに復活した全国学力テストについて「(小学)5年から中学生ぐらいまで毎年行い、自分の学力向上が測れるシステムができればよい」と述べ、対象を現行の小6と…

テストの負の側面にも目を向ける

[asin:4820803719:detail] 二宮衆一「イギリスにおける学力向上政策の動向―ナショナル・テスト体制の導入は学校現場に何をもたらしたのか―」より引用。 ロンドン大学名誉教授のポール・ブラック(Black,P.)は1998年に発表した「Inside the Black Box」とい…

学力調査の結果公表の問題の議論に欠けていること

学力調査の結果公表についてよく「自分の位置を知ることが必要」といったことが言われる。それはフィードバックの重要性を言っているのかもしれない。けれど,「誰が何のためにどんな情報が必要なのか」という視点で結果の公表の是非が語られてはいない。そ…

全国学力調査について少しだけ

【主張】学力テスト結果 公表し上位の地域に学べ まず, 市町村教委は学校や教員が評価されることを恐れず、積極的に学力を公表し、地域の子供たちの学力向上に役立てるべきである。 という主張には同意できない。その理由は,全国学力調査の調査結果のどこ…

学力テストについてもっと議論をすべき(再掲)

ベネッセの『BERD』No.04(現在未刊) は「学力調査、その狙いとデザインを考える」という特集を組んでいる。(PDFファイルで閲覧可能)http://benesse.jp/berd/center/open/berd/index.html 特に田中耕治氏の論文。西林克彦氏、新渡幹夫氏、山粼誠二氏の座…

こういう取り組みをもっと広めたい(再掲)

教師が作る学力テスト…「現場の知」凝縮 教師自身に作問させる理由について、同県教育庁は〈1〉子どもがつまずきやすい個所など現状を知っている〈2〉授業の改善につなげる作問ができる〈3〉教師自身の勉強になる――と説明する。 本来なら学力テストはこの…

全国学力テストを何のために行うのか(再掲)

学力診断テスト:国語基礎など設定正答率下回る????京都市除く府内の中2 /京都 府教委は16日、府内の中学2年生を対象にした今年で4回目の学力診断テストの結果を公表した。国語・数学・英語の3教科で昨年11月に行い、京都市を除く府内99校の約9…

犬山市教委は何を失ったのか(再掲)

先ほどのエントリーで引用した議事録を読んでいて、銭谷氏の次のような発言にひっかかった。 私ども、先ほど申し上げましたように、調査への参加は学校の設置者でございます市町村教育委員会の判断ではございますが、犬山市につきましては、今回の学力・学習…

学力テストは学習改革に結びつかないし、結び付けられることはない(再掲)

社説2 学習改革に学力テスト生かせ(4/21) この社説は、全国学力テストについてなんら理解していないし、学力テストがこれまでさんざん行われてきたこと、その結果問題が一向に解決に向かわなかったことを全く理解せずに書いている。 子どもたちの本当の学力…

教育改革に必要なのは慎重さと合理的な判断だと思う(再掲)

http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20061110/1163087610で紹介したことがあるが、藤田英典氏は、 (前略)それから今、先程ご指摘ありましたように、この問題は1980年代からあるいはもっと遡れば、公選制の教育委員会制度が任命制に変わったときからずっと問題…

日本の学力調査はすばらしいのだろう

日本の学力調査はすばらしいものなのだろう。PISAなどは参考にすべきかもしれない。その理由は,なぜそれが調査結果から分かるの?と思うようなことが結果を見れば分かるという主張が当たり前のように語られているから。 日本テスト学会はテスト規準で テス…

私教育を前提としない議論は成り立つのか(再掲)

<不登校>児童23人が謎の欠席、学校側13人に出席催促 文科省「聞いたことない」 Yahoo!のこの記事に寄せられているコメントを読んでいると,先日も書いたように「私教育」を前提としないで批判したり議論しようとしているように思う。そうした批判や議…

公教育と私教育(再掲)

新潟市教委:欠席児童保護者に督促書 母親ら「親の意思ではない」 /新潟 <不登校>児童23人が謎の欠席、学校側13人に出席催促 文科省「聞いたことない」 以前, いろんな図式の中からまずは抜け出すこと で書いたこととも重なるけれど少し書いておきた…

自分たちこそ当事者であるということ(再掲)

全国学力テスト:不参加の犬山市 親たち不満の声も 市教委、来年度も続行? /愛知 全国の小学6年生と中学3年生233万人が24日、一斉に臨んだ学力テスト。唯一、自治体として不参加を決めた犬山市では、子どもたちはいつも通りの学校の1日を終えた。…

当事者であること(再掲)

先日、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070419/1176994119で、大内裕和氏の「教育は誰のものなのか 教育基本法「改正」問題のアリーナ」という論文の一部を引用した。 大内氏は、 現在教育に関わる多くの人々にとって、教育基本法の中心的理念である〈教育…

教育は誰のものか(再掲)

大内裕和「教育は誰のものなのか 教育基本法「改正」問題のアリーナ」『[asin:479171119X:title]』より引用 もう一つさらに深刻なのは、現在教育に関わる多くの人々にとって、教育基本法の中心的理念である〈教育の権利〉というものを意識することが困難にな…

教育改革の行方(再掲)

asin:4788507331:detail メグ・マグワイア スティーブン・J・ボール シーラ・マクリー (中村浩子) 「イギリスの教室をとりまく文脈‐構造化されたアイデンティティの役割」 からの引用。 イギリスにおけるメインストリームの学校教育の改革は、市場原理によ…

議論は尽くされているか 全国学力調査結果公表について

全国学力調査の結果の公表という問題が最近クローズアップされている。けれども,それに関する報道やそれに対する反応などを見ていると,冷静に議論をしたり,判断することより,耳目を曳くようなパフォーマンスが先行しているように思う。 全国学力調査の結…

冷静な議論をしてほしい

橋下知事、大阪府の「教育非常事態」を宣言 http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080902/1220290316で書いたことの繰り返しになるけれど,非常事態宣言よりも冷静な議論をする環境を作ってほしい。冷静な議論よりも耳目を集めることが優先されるような事態から…

教育不安社会を作る人と忘れ去られるもの

橋下府知事が「教育非常事態宣言」を検討 学力テストの低迷受け これは,安倍内閣の教育改革とよく似ている。彼らはまず危機を演出する。その上でいわゆる「改革」を進めていく。 けれども,その中で忘れ去られていくものもある。http://d.hatena.ne.jp/kaik…

全国学力調査 情報公開という空念仏

橋下知事「学力テスト、市町村別の点数公表を」Comments 以前,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070831/1188491144で牧昌見氏がアカウンタビリティーについて指摘しているのを紹介した。 また,http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20080811/1218465873では,…