2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

教育幻想

日本の教育が最初に取り戻すべきものは? 失うべきものがあるとしたら、教育について語るときに「当たり前」とか「常識だろ」と考えられているもの。教育について語られるときの「当たり前」や「常識だろ」は、教育の幻想を作り出し、教育という虚構を作り出…

日本の教育は何を失った?

日本の教育が最初に取り戻すべきものは? 日本の教育はいつ死んだのだろう。日本の教育は、いつどこで何を失ったのだろう。教育を再生するとか、失ったものを取り戻すとか、そんな議論に最近は辟易してきた。 何でそういう議論に辟易するのか。今あるものを…

本当にそうだろうか

【正論】犯罪心理学者、聖学院大学客員教授 作田明 作田氏は、 発達障害自体は犯罪や非行をひき起こしやすいわけではない。犯罪心理学の上で問題となるのは、最近の日本の特異的な青少年犯罪の中に広汎性発達障害、特にアスペルガー障害と診断されるケースが…

多様化しない教育界

新教育の森:学力向上進学重点校指定1カ月、全校挙げ受験対策??湘南高 /神奈川 もし、最近の高校の動向を眺めて「多様化」してきたと思われるなら、それは錯覚だ。高校は多様化していない。同質性のなかで「差異化」しているだけ。差異化しているだけだか…

公的知識(オフィシャル・ノレッジ)の問題にこそ目を向けるべき

http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070623/1182558814で、教科書と教科書検定について少し書いた。 教科書検定:集団自決強制の記述復活難しい??安倍首相が認識 安倍晋三首相は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた住民の集団自決をめぐり、文部科学省の…

教科書の意味と教科書検定と

【主張】沖縄戦集団自決 文科省は検定方針を貫け まず、教科書は、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070621/1182375641でもかいたように、「単なる価値中立的な知識の集合では決してない」。また、教科書検定もhttp://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070623/118…

教科書について

『城丸章夫著作集 第8巻 教育課程論・授業論』 第三章 教科・教材 第二節 教科書論 より引用。 一九五五年に日本民主党が「うれうべき教科書の問題」というパンフレットを発行して以来、教科書に対する政治的圧力は日々に強化されてきている。いわゆる「偏向…

教師を「育てる」ことを考えるべき

教育再生関連3法案 「指導力不足」根絶へ 「指導力不足」は根絶できない。指導力の不足しない教師は存在しないから。でも、教師は「成長する」。だからこそ10年後との講習ではなく、日常的に意図的に教師が成長できるようにすることをまず考えるべき。 指導…

教科書という妥協の産物

【正論】拓殖大学教授・藤岡信勝 「政治的妥協」の愚を繰り返すな アップルは、 カリキュラムは、国の行政文章及び教科書といったテクスト(texts)あるいは教室における実践という形で、なんらかの経験を経て姿を現すが、それは単なる価値中立的な知識の集…

これって嫌味だよね

教育3法成立 制度の具体化をぬかりなく(6月21日付・読売社説) この改正を受け、学習指導要領の改定作業も加速する。小学校英語の必修化の是非、教育再生会議が提言した授業時数10%増の具体化策など課題は多い。拙速を避け、じっくりと議論してほしい。…

なぜバタバタと急ぐのか

教育関連3法案がバタバタと委員会採決され、きょうにも成立する見通しだ。なぜバタバタと強行採決をするのだろうか。教育基本法の改正にしてもこの3法案にしても、教育再生会議の提言にしても、なぜバタバタと急がなければいけないのだろうか。 教育は解決す…

「当てずっぽう」の教育改革

クローズアップ2007:教育3法きょう成立 免許更新で戸惑う現場 教育関連3法案が今日にも成立する見通しだという。教育改革は常に「当てずっぽう」だ。駄目ならまた変えればいいという程度で何事も進んでいく。そして、改革してますよということさえアピ…

批判するだけでは何にもならない

[asin:4845110032:detail] 小野田氏は、この中で次のように述べている。 私は、イチャモンという問題を考えていますが、その裏返しはつねに"連携"です。ごく簡単にいいますと"連携"と"イチャモン"は、オモテとウラの関係なのです。「イチャモンこそチャンス…

これから読みたいもの

山本哲士『教育の政治 子どもの国家』 http://hospitality.jugem.jp/?eid=36で「はじめに」が読める。

今やるべきことは

【正論】京都大学経済研究所所長・西村和雄 学力調査は誰のために行うのか さて、小中学生の全国学力テストであるが、愛知県犬山市を除く、全国の公立小中学校で実施された。もちろん、学力テストは学力の動向を知るためであって、いくら学力テストをしても…

学力テストはなぜやるのか

学力テスト:平均正答率7割 都教育庁「おおむね良好」??1月実施 /東京 一方、都教委は今年度行う学力テストで、基礎学力の定着状況の把握を目的に、一部の小学校4年生(国語、算数)と中学校1年生(国語、数学)にも試験を受けさせることを決めた。学習…

見切り発車しかしない教育改革

学力調査の中3記述式、採点難問 ×が○に、作業も中断 小学6年と中学3年の約233万人が参加した全国学力調査の採点で、中3の記述式問題で正誤の基準が途中で変わったり、作業現場の責任者の判断が食い違うなど、混乱が生じていることがわかった。人材派…

教育基本法の「準憲法的性格」とは何か

【解答乱麻】拓殖大学客員教授・石井昌浩 教基法格下げの奇策 石井氏は、 教育基本法は、教育の基本的な理念を示すものであり、その効力は教育法体系において日本国憲法に次ぐ準憲法的性格を有する。これは教育の世界の常識である。編集委員を務める教育学者…

これから読みたい本

[asin:4887137281:detail] アップルは、『[asin:4887131925:title]』のなかで、 カリキュラムは、国の行政文章及び教科書といったテクスト(texts)あるいは教室における実践という形で、なんらかの経験を経て姿を現すが、それは単なる価値中立的な知識の集…

学校をどう始末するか

山本哲士氏が、http://hospitality.jugem.jp/?eid=31で、 学校解体ではない、学校へ行かないことを半分の子どもは選択できる、もう半分の子どもたちは学校へ行きたいからいく、こういう理念的なバランスになったとき、学校は制度化の支配から解放される。学…

校長判断の愚かさ

JCが歴史教育アニメ 授業での上映依頼 JCの作成したDVDの内容を批判するより、 「内容は一面的なところがあって多少違和感を持ったが、地元のJCは大切な存在だ」として受け入れた という校長判断の愚かさを批判するべき。 DVDの内容が逆のものであったと…

教育と脳科学

教育再生会議第2次報告・「脳科学」の謎 ひさしぶりの教育国会論戦を文部科学委員会で行った。先に触れたように「教育再生会議第2次報告」が6月1日に発表された。何度か読みにくい第2次報告の文章を読んでいて、妙に気になったのが「親学」は消えたが、「脳…

「教育」と「しつけ」

「教育」とは 21世紀の教育と子どもたち (4)作者: 谷川彰英出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2000/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 森重雄 「教育のある時代と教育のない時代--二一世紀の教育を考えるために」の中で森氏は、 この国の…

道徳教育について(2)

『城丸章夫著作集 第1巻 現代日本教育論』 第四章 集団教育論 第三節 道徳教育論 より引用。 特設「道徳」は、具体的な方法としては、何ごとをも示していない。否、特設時間中に取りあげるべき具体的な内容さえも示していないといってよい。抽象的な徳目だけ…

教科書がないと教えられないという馬鹿げた発想

【主張】教育再生会議 評価したい徳育の教科化 徳育の教科化については、一部から異論があったが、土曜授業の活用など「ゆとり教育」見直しの具体策とともに提言の柱になった。 小中学校で週1時間ある「道徳の時間」は、思いやりや生き方などを考える貴重な…

子どものコップ

灯し続けることば作者: 大村はま出版社/メーカー: 小学館発売日: 2004/06/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (10件) を見るから引用。 子どもがコップを持って、自分の身体を養う物を飲むとします。教師はそのコップに栄養のある…

「ゆとり教育」の見直し、脱却の意味するもの

教育再生会議が第二次報告で週五日制の事実上の廃止や、授業時数の増加を打ち出したことで、「ゆとり教育の見直し」「ゆとり教育からの脱却」だと言われている。 「ゆとり教育の見直し」や「ゆとり教育からの脱却」は、http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070…

教師を「現場で育てる」という視点の無い改革

『教育』2006年4月号の扉の言葉からの引用。 私たちは、教師が育つ場所の一つは教室と学校である、と思っている。学校の外にある研修機関や自主的な学びの場はもちろん大切な成長の機会である。しかし、実践的問題が不断に生起する教室と学校でこそ成長した…